『傀儡のマトリョーシカ』が4月30日頃に講談社ラノベ文庫より発行されます!

どうやって本を売るか④

こんにちは! 河東遊民です。

今日は『どうやって本を売るか④』ですね。その①その②その③のつづきです。

そろそろ他の記事も書きたくなってきたのですが、もうちょっとだけ頑張りましょう。

たぶん第5回か6回くらいで終わる気がします。簡単に言うとネタが尽きてきているのです。

今回は、投稿時の傀儡のマトリョーシカは、どういうところを狙っていたのか、というマニアックな話をしましょう。

まず、最初に考えていたのはアンチ・ライトノベルという戦略です。王道の売れる要素を、否定できるだけ否定して、しかしその上でライトノベルであることを両立できないか、という挑戦ですね。アンチというとネガティブな印象かもしれませんが、ミステリー畑で育った人間からしてみれば『アンチ』というのは蠱惑的な響きです。アンチ・ミステリーというすごいジャンルがあるからです。この話をすると長くなるので、解説はWikipediaに譲るとして……。

売れる作品に共通する要素とは、なんでしょうか? まず、共感できる主人公ですね。僕は、ここを大きく外すことにしました。狙ったのは、とにかく変で、容易には共感できない主人公です。半分くらいの人は主人公のことが理解できないし、腹が立つ人だっていることでしょう(実際、投稿前に読んでもらった際、怒って罵倒してきた人もいたほど)。しかし、わかれば面白いし、ぎりぎり共感ができるかもしれないというのが狙いでした。ちょっとネタバレになりますが、傀儡のマトリョーシカは『ハードボイルド学園ラブコメディ』という謎のジャンルなのです。

ハードボイルドというジャンルを知らない人も多いかもしれません。ダシール・ハメット、ロス・マクドナルド、あとは村上春樹が翻訳したレイモンド・チャンドラーなどの書くミステリー小説の1ジャンルです。乾いた文体で切れ味のある描写をする、みたいな感じの作品なのですが、これはアメリカの私立探偵がやるから格好良いのです。ハードボイルドを日本の学園生活を営む高校生がやるとコメディになる、という考えで生まれた謎ジャンルなのです。

あとは、あえて謎をすべて回収せずに終わらせるとか、話の転換しそうなところで転換させないとか、そういう王道を外すことばっかりをやっていたのです。そういうわけで、僕が想定していた、読み終えたあとの読者の感想は『よくわからなかったけど、面白いような気がするけど、うーん、どうなんだろう』というものでした。つまり、全員が読んで面白かった! となる作品ではないのです。そこを狙って書いているわけですね。そして、そのほうが、単純に面白いだけの作品よりも売れると思っていました(いまも思っている)。

その変なところを狙いにいった変化球の作品が受賞したので、ああ、自分の戦略を理解できる人がいるんだな、と思っていたのですが、どうも、そうではなかったようです。王道の作品にしてくれと言われたので、かなり驚きましたが、まあ、言われた通り、素直に王道にしました。ありがちな展開で、ありがちなラストになりました。そういうわけで、こんな王道の作品、売れないだろ、と思っていたのですが……。ちょっと時間をおいて読み直してみたら、王道と邪道が結構良い感じのバランスかもな、と最近思えたので、こうやって本気で本を売ろうといろいろ考えているわけです。編集さんの指摘も、いまは正しかったのかもしれないな、と思っています。以前の作品は、ちょっと変過ぎたかもしれません。そういうわけで、出版されるバージョンは非常に良い感じの変化球になっていることかと思います。たぶん。きっと……。

明日は、変な作品を売る方法について書きましょう。明日で最後かな。どうでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です