『傀儡のマトリョーシカ』が4月30日頃に講談社ラノベ文庫より発行されます!

どうやって本を売るか③

こんにちは! 河東遊民です。

今日は『どうやって本を売るか③』ということで、つづきを書いていきたいと思います。

昨日の記事『どうやって本を売るか②』では、講談社ラノベ文庫でデビューした新人の本が、なぜ売れないのか、という原因を考えてみました。今回は、もともと僕が、どうやって本を売ろうと考えていたのかを書きましょう。

新人賞に送る時点で……というか、本が書きあがった時点で、もし受賞したらどうやって本を売るか、ということを考えていました。受賞する前から、それどころか一次選考を通る前から考えていました。自分はデビューするだけではなく、しっかり本を売るんだ、ということまで検討していたわけです。講談社ラノベ文庫に作品を出したときに考えていたのは、とにかくマイナーなもの、変なもので勝負をする、ということです。なぜ変な作品のほうが良いのか、ということを説明しましょう。

まず、大抵の作品は『普通に面白いもの』を目指してつくられます。王道の作品を狙うわけです。ざっと本屋を見た限りでは、9割以上の作品が王道です。わかりやすく面白いものです。絵も素晴らしいものばかりで、帯に書いてあることを要約すると『面白い』です。そうなると、多くの作品と競争をしなければならないわけです。ざっと調べたところ、1月にライトノベルは200冊ほど発売されるらしいです。そのなかでトップ5……せめてトップ10までに入らないと読者に買ってもらえません。シリーズものは除外するとしても、有名作家の新作や、電撃文庫の受賞作などが、どんどん発売されていくわけです。トップ10に入るために、上位のレーベルは大量の広告を打っています。動画広告だったり、コミカライズだったり、部数を刷って大量に展開したり、ありとあらゆる手を尽くしてトップ10を目指すわけです。そうすることで、やっと手に取ってもらえる、という状況をつくりだせます。講談社ラノベ文庫では、他のレーベルと比べたら広告の量が少ないので、この手が使えません。だから、講談社ラノベ文庫では王道の作品を出すのは危険なのです。他のレーベルの宣伝力に押し負ける、ということですね。これはあくまでも僕の考えであって、事実かどうかはわかりません。ただ、そう考えるといろいろ納得がいく部分も多いのではないでしょうか。

以前にも書きましたが、映画で考えてみてください。棚が多いことは上映館数が多いことを意味します。ハリウッドで作成された映画は、上映館数が多いですし、テレビCMもバンバン流れます。そういう風にして興行収入を稼ぐわけですね。これが王道の作品、普通に面白いもので当てる方法です。上映館数が少なく、満足にCMも打てないときは、変な作品で勝負するしかないのです。上映館数が少ないのに、ハリウッドみたいな作品で戦ってもだめで、園子温みたいな、変でマニアックだけど面白い、というもので勝負するのがよろしいでしょう。

変な作品は、その月に発売されるライトノベルのうちの、トップ10には入れません。そこを目指してはいけません。もっとマニアックでおかしな客を狙います。新しいものが好きな人、変な作品が好きな人を狙うわけです。その月に発売されるライトノベルで、もっとも『変』な作品を狙うわけです。そうすると、変なものを好きな人が買ってくれます。これは普通に面白いものが好きな購買者よりは少ないですが、変でトップを取れるならば、そこそこのビジネスにはなります。もちろん大ヒットは無理ですが、続刊や、重版が可能なくらいは売れるのではないか、と考えています。たぶん、変な作品で狙えるのは、当たったとしても、マックスで実売1万部くらいだと思います。実売1万というのは、かなり多い数字ですが、変だけど面白い、という作品をつくれたら可能な範囲だと思っています。(普通に面白い作品の場合は、当たれば、もっと大きく当たるのですが……)

そういうわけで、面白い作品ではなくて、変な作品を狙って書いて、送って受賞したのです。という経緯でした。講談社ラノベ文庫の状況では、王道の作品よりも、マニアックで変な作品のほうが、まだ売れる可能性がある、と考えています。変な作品は、広告の量が少なくても、なんとか勝負ができるからです。それでも広告がゼロだと厳しいので、今後は、個人で可能な広告について考えていきたいと思います。

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