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消費税について語ってみましょう

こんにちは! 河東遊民です。

今日は『消費税』 についてのエッセイを書くつもりでしたが、過去に書いていたものを転載しておきます。この記事は今年の5月に書いたものでした。

消費税について、まず一番多い意見は『生活が苦しくなるから困る』というものでしょう。これが全体の6割以上を占めているのではないでしょうか。あとは、国家の財政が厳しいので、消費税増税はやむを得ない、という意見も普通ですね。他の先進国と比べて日本の消費税は安すぎるとか、いや、日本は他の税金も含めたら他の先進国並みだとか、そういう意見も、ちょっと普通過ぎますね。あとは、消費税は逆進性があるから格差が広がる、という意見も普通です。実は消費税をあげなくても日本の財政は大丈夫なんだ、日本が赤字でやばいというのは財務省の陰謀なのだ、という意見も、まあまあ見られますね。

税の累進性逆進性について軽く説明しておきましょう。(詳しく知りたい人はリンク先をクリックしてください)

まず、お金をたくさん稼いだら、多く税金を取られる、というのが累進税です。年収300万だと、所得税と住民税で17万円くらい納めることになります。年収の6%が税金に消えるわけですね。

次に年収1000万の場合ですが、所得税と住民税で170万くらい納めることになります。年収の17%が税金に消えます。年収2000万だと所得税、住民税で580万を納めなければなりません。実に、年収の29%が税金となるわけです。こういう風に、高額所得者であるほどたくさん税金を納める、というのが累進課税と呼ばれます。

消費税は、その逆です。皆が日常的に支払うものなので、お金をたくさん稼ぐ人も、収入がゼロの人でも同様の金額を支払わなければなりません。100円の商品を買ったときに8円の消費税がつきますけれど、それは誰でも同じ金額なわけですね。もちろん、お金を稼ぐ人であればあるほどたくさん物を買う(ことが多い)ので、たくさん税金を納めることにはなるのです。それでも、日常の生活に必要なものの税金が上がると、あまり稼いでいない人は、生活が困窮していくことになります。益々格差は拡大し、消費は落ち込み、経済が冷え込むのでは、という意見もあるでしょう。

僕個人としては、消費税の増税に対しては、条件付きで賛成です。全面的に賛成というわけではありませんが……。

まず、年収300万未満の家庭に関しては、消費税率8%だと年間で15万、10%だと19万程度が消費税で消えていくことになる、というデータがあります。みずほ総合研究所が出しているものなので、まあ、そこそこ信用できるデータではないでしょうか。このデータによれば、2%の消費税増税で、支出が4万円増えることになります。

たとえば、増税よりも前に、政府が、全国民に一律4万円を配るとどうなるでしょうか? 消費税は増税するが、その代わりに毎年4万円分は与えます、という風にするわけですね。そうすれば、日常生活に必要なものに掛かる消費税は、配られた4万円で賄えるわけです。

年収300万未満の世帯は、その4万円で増税分を賄うことができる年収300万以上の家庭は、もっとお金を使うので、税金をたくさん納める、ということになるわけですね。トータルとしては国に入る税が増えることになります。

そこまでして、わざわざ消費税を上げなければならないのはなぜか、ということを書いておきましょう。

消費税は、非常に誤魔化しづらい税金なのです。所得は、自営業者であれば、かなり誤魔化せます。脱税ではなく節税と呼ばれますが、様々なものを経費にしてしまえるのですね。

たぶん、サラリーマンだと、2000万~3000万くらいが、役員にならなかった場合の年収の限界ではないかと思います(もちろん会社によりますが、一部上場企業でも、これくらいでは?)。ところが、自営業者だと5000万、6000万という稼ぎをあげている人もいるわけです。サラリーマンは9割くらい所得が捕捉されるのに対し、自営業者だと6割くらいしか捕捉されない、と昔からよく言われています。農林水産業だと4割だとか。いわゆる『9・6・4……クロヨン』というやつですね。

3000万の9割ということは、サラリーマンは2700万が所得とされるのに対し、6000万稼いだ自営業者の場合は、3600万が所得と見なされます。もともと二倍近く差があったのに、かなり差が縮まった感じがしますね。自営業だと、こういう誤魔化しが、かなり効くのです。

何が言いたかったかというと、消費税は、所得税などに比べると、非常に節税、脱税がしづらいのです。だから、低所得者に対しては、そのまま全国民に現金を一律で給付をするとか、給付付き税額控除、いわゆる負の所得税の制度を導入するなど、なんらかの対処をした上で消費税をあげたほうが良い……というのが僕の考えですね。まあ、ありふれた、普通の意見ですけど……。

軽減税率という手もありますが、僕は否定的ですね。どれを軽減税率の枠に入れるのか、ということで揉めますし、不公平な制度になることは間違いありません。たとえば、軽減税率の枠組みに入れて欲しい新聞は、政府や官僚に批判的なことを書けなくなるかもしれません。そんな新聞に存在価値がありますか? 出版業界でも同じですね。政府の意向に沿う作品を出さないと、軽減税率の適用外、みたいなことになると、規制がどんどん強まっていくでしょう。権力にコントロールされる業界が増えていくのは、非常に危険です。

手続きが煩雑になる上に、ルールづくりが困難なので、軽減税率などをつくるよりも、国民に一律で増税分を先に支払う、みたいなほうがよろしいかと。これもこれで手続きが非常に面倒臭く、コストが掛かりそうですが、なんとか電子マネーの普及で安く済ませて欲しいものです。全国民への給付を切っ掛けに、政府が電子マネーの普及を推進する、くらいのことはやって欲しいですね。

まあ、全部無理で、普通に消費税が10%になって、日本経済はクラッシュすると思いますけどね。それでも、なんとかオリンピックまでは持ちこたえるでしょう。オリンピックの5年後くらいが危険ではないでしょうかね。

最後に書いておくと、消費増税の要、不要という論に関して、完全な定説というものはありません。あまり極端な意見を信用しすぎず、どっちが正しいんだろうなぁ、と考えつづけるのがよろしいかと思います。

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